城下町飯田で最大規模の祭礼がお練り祭りです。
脇坂氏が藩主だった慶安五年 (1652)の「三月朔日祭礼」が始まりとされ、一時中断したのち18世紀前半から 大宮(現在の大宮諏訪神社)の式年祭として開催されてきました。
江戸時代のお練り祭りでは、城下の18か町がそれぞれ本屋台・旗屋台・囃子屋 台を曳き回したと言われています。
とくに本屋台は、二層あるいは三層のもの で、飯田の商人たちの経済力に支えられた豪華なものでした。
明治以後、電線の架設により本屋台の曳行ができなくなり、飯田大火で多くの屋 台が焼失してしまいましたが、わずかに残された屋台にまつわる資料からは、飯 田の町人たちの豊かな暮らしぶりや意気を感じます。

※飯田市美術博物館で開催中の特別展「城下町飯田と飯田藩」(会期:9月23日 (金・祝)から11月6日(日))では、本屋台に張った幕や、屋台を描いた図を 展示中です。