「新野の雪祭り」ではフラッシュ撮影の禁止いたします

多くの方によりよい環境で見ていただき、地域が長い間継承してきた「雪祭」の素晴らしさを多くの方に理解していたくために今年からフラッシュを使用した撮影を禁止することになりました。 長野県立歴史館の笹本館長が、Facebookで本年の雪祭りからフラッシュを使用した撮影を禁止することにコメントを寄せていただいています。 南信州モデルとして広がることを期待したいと思います。 「新野の雪祭りフラッシュ禁止」 下伊那郡阿南町新野で行われる「新野の雪祭り」は、国重要無形民俗文化財に指定されているすばらしい祭りです。 1月14日から15日にかけて行われる本殿神事でフラッシュ撮影が禁止されました。 その代わりにフラッシュが無くても撮影できるよう、照明施設を準備しました。 昨年、今年と祭りの記録映像を撮影するために、フラッシュ撮影禁止を呼びかけました。その動きがこのような形で結実しました。地元の皆さんなどの粘り強い活動に敬意を払いたいと思います。 私は各地の祭礼を見歩きますが、三脚をすえて前面に陣取り、次々とフラッシュをたくカメラマンたちにとても違和感を覚えます。 三脚を置いて数人分の面積を独占し、フラッシュによって祭りの雰囲気を壊すカメラマンの動きには閉口します。祭りを行っている地元の人たちは、遠くからしか見ることができず、主客転倒です。 本来祭りは地域の人たちのものでありながら、伝統やしきたりを無視して、自分だけよければいいのだといわんばかりの、一部カメラマンの行動は許されません。 今年新野の雪祭りに行って、フラッシュが無いといかに祭りの雰囲気が変わるか実感しました。 写真は今年撮った新野の雪祭りの模様です。 照明設備費用は南信州広域連合や阿南町教育委員会が負担しました。地域の大事な祭礼をいかに維持し、いかに地元のものにするかは大事な課題です。 今年は下栗の霜月祭でもフラッシュ撮影禁止の張り紙が貼られ、皆がしたがったそうです。 こうした動きが加速することを期待します。 地域の歴史を実感するのに祭礼はとても良いと思います。皆様も雰囲気の変わった新野の雪祭りを見に行ったらいかがでしょうか。 本文はこちらのリンクからご覧ください。 http://bit.ly/2lV8zNM

新野の雪祭りと折口信夫 映像上映と講演 順の舞奉納

長野県下伊那郡阿南町新野に伝承される「雪祭り」(国指定重要無形民俗文化財)は、正月に行われる田楽系の神事芸能としてよく知られています。この祭りの名称は、大正15年(1926年)1月にこれを見学をした折口によって命名されたといわれます。その後も、折口は新野の雪祭りを頻繁に訪れて、この祭りから多くの示唆を受けると共に、新野の人たちとも親交を深めました。 昭和5年(1930年)5月、折口は雪祭りを國學院大學他に招致して、学内神殿・講堂での公演を行いましたが、折口が亡くなった昭和28年11月、七回忌にあたる昭和35年10月には、折口を慕う新野の人たちによって同学内で慰霊の「順の舞」が奉納されています。 さて、このたび長野県・南信州広域連合が中心となって立ち上げた「南信州広域連合民俗芸能保存継承プロジェクト」の一環として、文化庁の補助を受けた「南信州阿南町新野雪祭等資産化事業」が実施され、雪祭りを中心とした報告書と記録映像が作成されました。また、本年は折口信夫博士生誕130年の節目にあたります。そこで、雪祭りと縁深い國學院大學において、56年ぶりに慰霊の舞を奉納すると共に、記録映像の上映と講演会を開催するこの企画となりました。 これにより折口がいち早く注目したこの祭りの奥深さと、新野を中心とした南信州の郷土芸能のすばらしさを、出身者の皆様をはじめ多くの方々に知っていただければ幸いです。 10:00~12:25 記録映像「新野の雪祭り」前半(135分 12月31日~1月14日お上り) 〈プレ上映〉 13:00~13:10 開会・挨拶と経過説明 13:10~13:25 新野の雪祭り「順の舞」「中啓の舞」奉納(折口信夫博士慰霊の舞 國學院大學では36年ぶり) 13:30~14:30 講演「新野の雪祭りと折口信夫」 小川直之(國學院大學教授・折口博士記念古代研究所) 講演「新野の雪祭りの特質」 櫻井弘人(飯田市美術博物館学芸員・國學院大學兼任講師) 14:40~17:10 記録映像「新野の雪祭り」後半(150分 1月14日お上り~1月16日座敷洗い) 17:15 閉会  

Go to Top